相続とは
相続とは、人が亡くなった時に、その人の財産(すべての権利や義務)を他の自然人が包括的に承継することです。**簡単にいうと、亡くなった人の財産を配偶者や子どもといった関係者がもらうことです。
相続では、この亡くなった人を「被相続人」、財産をもらう人を「相続人」といいます。
相続の範囲
相続の対象となるのは、被相続人が死亡した時点で所有していたすべての財産です。具体的には、以下のようなものがあります。
- 預貯金
- 不動産
- 株券
- 貴金属
- 車
- 家具・家電
- 骨董品
- 借金
相続人の決定方法
相続人は、法律で定められています。
- 第一順位:配偶者
- 第二順位:直系尊属(父母、祖父母など)
- 第三順位:兄弟姉妹
ただし、被相続人と婚姻関係が続いたことのない子は、相続人になりません。
遺産分割
相続人が複数いる場合は、遺産をどのように分けるのかを話し合いによって決める必要があります。これを「遺産分割」といいます。
遺産分割の方法には、以下のようなものがあります。
遺産分割協議書
遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には、相続人全員の名前、遺産の内容、遺産の分割方法などを記載します。
名義変更
遺産分割協議書に基づいて、不動産や預貯金などの名義変更を行います。
相続財産の合計額が一定額を超えると、相続税がかかります。相続税の申告は、相続が発生したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
相続手続きで知っておきたいこと
1. 遺言書の有無を確認
相続手続きを始める前に、まず遺言書の存在を確認しましょう。遺言書があれば、その内容に従って遺産分割を行います。遺言書は、家庭裁判所に検認を申し立てて開封する必要があります。
2. 相続人の確定
遺言書がない場合は、法定相続人と呼ばれる相続人たちが遺産を分割します。法定相続人は、配偶者、子供、父母、兄弟姉妹など、法律で定められています。誰が相続人になるのか、戸籍謄本などを収集して確認しましょう。
3. 遺産の調査
相続財産には、預貯金、不動産、株券、貴金属、車など、さまざまなものがあります。すべての財産を漏れなく把握し、価値を調べましょう。
4. 遺産分割協議
相続人全員で話し合い、遺産をどのように分けるのかを決めます。遺産分割協議書を作成し、全員が署名または記名捺印します。
5. 名義変更
遺産分割協議書に基づいて、不動産や預貯金などの名義変更を行います。
6. 相続税の申告
相続財産の合計額が一定額を超えると、相続税がかかります。相続税の申告は、相続が発生したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
その他、相続手続きで知っておきたいこと
- 相続放棄:相続人になる権利を放棄すること。相続放棄をする場合は、家庭裁判所に申述する必要があります。
- 限定承認:相続債務を遺産の範囲でしか負わないこと。限定承認をする場合は、家庭裁判所に申述する必要があります。
- 法定相続情報証明制度:相続人の確定情報などを証明する制度。この制度を利用すると、相続手続きに必要な書類を簡単に取得することができます。
相続手続きは複雑な場合もあり、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
相続税について
相続税とは、人が亡くなった時にその人が所有していた財産を相続人が取得する場合に課税される税金です。
相続税の課税対象となる財産
相続税の課税対象となる財産は、被相続人が死亡した時点で所有していたすべての財産です。具体的には、以下のようなものがあります。
- 預貯金
- 不動産
- 株券
- 貴金属
- 車
- 家具・家電
- 骨董品
- 借金
相続税の計算方法
相続税の計算方法は、以下のとおりです。
相続税の控除
相続税には、以下の控除があります。
- 基礎控除:3,000万円+(600万円×相続人の数)
- 配偶者控除:配偶者がいる場合は、配偶者の取得する遺産額に応じて控除を受けることができます。
- 直系尊属控除:直系尊属(父母、祖父母など)が相続人である場合は、控除を受けることができます。
- 障害者控除:障害者が相続人である場合は、控除を受けることができます。
- 寄付金控除:公益社団法人等に寄付をした場合は、控除を受けることができます。
相続税の申告
相続税の申告は、相続が発生したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
相続税の納税
相続税は、現金で納付する必要があります。
相続税の特例
相続税には、以下のような特例があります。
相続税は複雑な税金です。不安な場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。